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少女は果てしなく遠い、蒼々とした空を見上げた。
高層ビルに囲まれた狭苦しい東京で。
美しい空を、見た。
「ボクは、君のことを嫌ったりしない」
疑われないためならどうしたらいいだろうと、自分なりに考えた結果だった。
『言葉なんて偽ろうと思えば何時でも偽れるでしょ』
返ってきた言葉は、氷のように冷たかった。
少女は視界一杯に広がる桜を見上げた。
空の青と桜の桃色。
散りながらも咲き誇る桜は、とても儚く美しいものだった。
「君はボクのことが嫌い?」
何をどうやっても無駄だと気づいたときに、最後の最後までとっておいた言葉。
それをここで今、使った。使ってしまった。
『ううん』
この間返ってきた言葉が、嘘のようだった。
二度とは訪れない時を感じながら、少女は息を吸い込んだ。
閉じ込められた世界で見つけたもの。
大切に繋ぎとめておきたくて、必死になった。
「じゃあ、ほんの少しだけ、ボクのことを信じてもらってもいい?」
『……いいよ』
――急に強い風が駆け回り、桜の枝は大きく揺れた。
ひらひらと舞う花びらの中、姿は霞んで往く。
散っていってしまう桜を少女は見送った。
どこまでも。
「ありがとう」
――ボクたちはとても薄い繋がりから始まった。
その種が芽吹き、たくさんの枝をつけ、花を咲かせた。
何度も何度も散ってゆく花弁は、色々な感情を乗せて空へと舞う。
ずっと続く。
存在しないといわれた永遠は、ここにあるんだと。
ボクは強く信じていた。
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